柔軟物操作

　乱雑におかれた布製品を操作する作業は人手に大きく依存している．アパレル，クリーニング，リネンサプライ，福祉，医療などの産業では効率面だけでなく，衛生面からも機械システムによる布地ハンドリングの自動化が強く求められている．現状のロボット分野では，柔軟物を扱う統一的な技術は確立されていない．また，布製品は商品の大きさ・形状・品質が多種多様であり，布地のハンドリングは特に困難な作業である．本研究では，布地の柔軟性と環境を巧みに利用することで布地を操作する機械システムを構築する．人間の作業方策に倣い，乱雑に置かれた布地の整列作業を拭き動作，把持動作，展開動作，定置動作の基本作業に分類し，それぞれの作業を実現するために必要な要素を検討する．また，それらの結果を適宜組み合わせることで，布地ハンドリングを一連の動作として実現する．現在では，縁のある布地の整列作業を単腕2手ハンドで実現している．Fig.1に，布地の展開動作を実装した様子を示す．人間の動作と同様に布地の縁を巧みに利用することで空中における展開動作を実現している．

Fig.1: Unfolding Motion by A Robotic Hand

動画

• 布地の把持・展開・定置 (MPEG 6.8MB)

助成

• 本研究は，2007年度科学技術振興機構(JST)シーズ発掘試験に採択されました．
  ・研究課題名：視覚を用いた布の展開と定置に関する技術開発
  ・研究代表者：平井慎一
  ・採択年：H19年度

• 本研究は，2007年度，（株）I.S.Tの受託研究として行われました．特許委譲済．
  　・特開2010-000560　残留変形性薄物把持装置
  　・特開2010-000561　変形性薄物展開装置
  　・特開2010-000562　変形性薄物展開装置